サイトの刷新について説明する髙野事業長
楽天トラベルは１月２９日、「新春カンファレンス２０１８（東京Ａ会場）」を東京都港区のグランドニッコー東京台場で開き、参加した登録宿泊施設に対して、楽天トラベルサイトの大幅刷新について説明するとともに、アロットメント制限の廃止や、手数料率の改定などを含む契約内容の改定を発表した。
楽天トラベル新春カンファレンスは、１月１７日の札幌会場を皮切りに２月２２日の福岡会場まで全国１０カ所で開催。契約内容の変更については、２９日の東京会場で初めて発表した。
同カンファレンスの戦略共有会では、髙野芳行トラベル事業長（楽天株式会社執行役員・ライフ＆レジャーカンパニーヴァイスプレジデント・トラベル事業事業長）、羽室文博ディレクター（楽天株式会社ライフ＆レジャーカンパニー・トラベル事業ディレクター）、星野俊介ＣＴＯ（楽天株式会社執行役員・ライフ＆レジャーカンパニーチーフテクノロジーオフィサー）の３氏らが登壇。
髙野事業長は、楽天トラベルの現状について「皆さまのおかげでサービスは順調。観光庁の発表による直近１年間の取扱額は、日本の旅行会社の中で２位と常に成長を続けている」と報告し、好調ぶりをアピール。その上で、「リーディングＯＴＡとして、次世代の旅行プラットフォームに進化させる」と述べ、サイトの大幅刷新について語った。
ウェブ画面の最適化を含む大規模なシステム改修を行い、宿泊施設にとっても旅行者にとっても直感的に使いやすい旅行サイトに進化させる。楽天の強みである「会員基盤」「ビッグデータ」「ブランド」を武器に、旅行者データと宿泊施設データを駆使して、旅行者と宿泊施設の「ベストマッチング」をさらに進化させる仕組みを構築するとした。
髙野氏は、サイト刷新の背景について「ユーザーのオンライン行動は常に変化し、スピードも上がっている。海外のＯＴＡも徐々に存在感を増している。これに真摯に向き合い、選んでいただけるサービスを維持したい」と述べた。一方、「楽天経済圏の中で日々蓄積されているビッグデータを活用したベストマッチングは、楽天トラベル独自の強み」と語り、自信をのぞかせた。
また、「楽天グループのシナジーも最大限に活用する。さまざまな形で宿泊施設のエンパワーメントをしていくことが楽天トラベルの最大の使命」と強調した。
髙野氏は、楽天トラベルへの民泊物件の掲載開始についても言及。９月をめどにグループの民泊事業会社である楽天ライフルステイで取り扱う物件の掲載も始めると述べた。楽天ライフルステイは中国や台湾などの大手民泊サイトとも提携し、各サイトに国内民泊物件を供給する契約を結んでおり、楽天トラベルも物件供給先の一つになる。
これについて髙野氏は、「楽天トラベル上に選択肢を増やし、サイトの集客力が上がれば、結果的に既存の宿泊施設にとってもプラスになると信じている」と語った。いわく、住宅宿泊事業法が施行され、民泊が合法化すれば、それも旅行者の宿泊先の選択肢の一つとなる。民泊と既存の宿泊施設が別々のサイトにあるよりも、楽天トラベル上に一緒に並んでいれば、旅行者をそこに集めることができる。結局は、よいサービスを提供しているところが選ばれるので、民泊を探しにきた旅行者が最終的に旅館を予約するというケースもあり得るわけだ。
羽室ディレクターは、アロットメント制限の撤廃、最低・同一料金保証や同一客室数保証の新設と、手数料率の変更を発表。現在、宿が楽天トラベルに提供する最低客室数によって異なる３種類の契約体系を廃止し、他のＯＴＡでも一般的な、手数料率を１名利用と２名以上利用で区別する方式を採用する。手数料率は、現在のＡプラン７％、Ｂプラン８％、Ｃプラン９％から、一律１名利用７％、２名以上利用８・２５％（いずれも消費税・ポイント費用抜き）に変更する。本件については、登録宿泊施設向けの説明会を１月末から全国各地で約６０回開催し、直接説明していく。
